阪神・淡路大震災で失われたモノ、残されたモノ、生まれたモノ…そんな記憶を記録します。

青池 憲司 監督作品 映画『宮城からの報告—こども・学校・地域』製作委員会

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コラム・撮影報告

石巻撮影報告
4/8

春、北上川

text by 青池憲司

2012.4.14  up
門脇小の校歌 (宮城県石巻市・門脇小学校 2012年4月10日)
門脇小の校歌 (宮城県石巻市・門脇小学校 2012年4月10日)

きょう(4月8日)は灌仏会(釈迦の生誕を祝う花祭)、奇しくもイースター(復活祭)がかさなりました。被災地石巻は、春の陽光が射しはじめています。わたしは、上着を1枚脱ぎ、ブーツをスニーカーに履き替えました。愛車「のだきた号」もスタッドレスを普通タイヤに直しました。

過日、旧北上川をできるかぎり河岸沿いに溯上し、岩手県との県界まで行ってきました。ロケーション・ハンティングです。スタッフ3人の先達を邊見清二さんにおねがいしました。邊見さんは、岩手県と宮城県にまたがる北上川流域各地のフィールドワークをされている方で、河川行政にも詳しく、石巻の成り立ちを調べ伝える「石巻千石船の会」の会長さんでもあります。

ロケハンの目的は、わたしたちが撮影している門脇小学校の4年生(この4月から5年生)が、社会科の授業で勉強してきた北上川の水運の歴史を、そして、門脇小校歌に、

〽 北上川は生きていて
     命を深く思わせる

と、うたわれる自然を、それぞれ「画」にするためのView Pointをさぐることにありました。邊見さんという人を得て、その目的は達せられました。すこしだけですが、ネコヤナギが花穂をつけていました。新緑の萌えいずるときが待たれます。

当地小学校の新学期は明日(9日)からはじまります。新1年生の入学式は明後日(10日)です。門脇小は、今年度も門脇中学校の校舎を借りての学校生活になります。キャメラとマイクは、門脇中学校の校門で、こどもたちを待ちうけます。

新しい小学生と新しい季節、新しい「門脇町復興まちづくり協議会」の活動や地域のうごき、それらを撮ることが4月の課題です。

#文中に登場する名称・データ等は、初出当時の情況に基づいています。

青池憲司

ドキュメンタリー映画監督。震災後、親交のあった長田区の野田北部・鷹取地区に入る。"野田北部を記録する会"を組織し5年間に渡りまちと住民の再生の日々を映像で記録。
「記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部」(1995年〜99年,山形国際ドキュメンタリー映画祭正式招待作品)を発表、国内外で上映。2002年「日本建築学会文化賞」受賞。

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