◉震災発レポート
恒例の自然系ヒッピーフェスで復興祭
”半造 星まつり2011 復興支援感謝祭„
〜東日本大震災の光景〜
宮城県気仙沼市・唐桑半島半造園地 ◉ 2011年7月23日
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
text & photos by kin
2011.8.23 up
唐桑半島で復興感謝のピッピーフェス
気仙沼市街地から車で3、40分ほど離れた唐桑半島中程にある半造で、お祭りが開催された。毎年開かれているものだが、今年は被災地へ救援に来た人たちに感謝をするという「復興支援感謝祭」と銘打たれていた。
高台の森の中に広がる芝生広場には、たくさんの出店が食べ物を販売していたり、舞台ではライヴが行われていた。一般参加者による野外カラオケ大会なんかもある。かたわらの漁具の浮きを使ったオブジェや、大漁旗の飾りが目に付く。舞台のPAなどの電力は、ステージ横のソーラーパネルで発電した電力で全てまかなっているという。夜の照明までは無理だが、特にステージ寄りに設置された黒いパネルのものは、この日のような曇り空でも充分にPAの電力くらいは発電できる高性能なものだとか。
SVAの子どもの遊び場ブース
シャンティ国際ボランティア会(略:SVA)も、このフェスに参加している。気仙沼事務所とNPO法人日本冒険遊び場づくり協会が協働しているプロジェクトの「子どもの遊び場づくり」を、この場所でもブースとして開いていた。日本冒険遊び場づくり協会所有の遊び道具を積んだプレーカーを持ち込み、スタッフは同協会から運営ノウハウの指導を受けて開いているという。
この遊び場の「プレーリーダー」には、4、5人ほどのSVAスタッフが付いていた。プレーリーダーは子どもたちの動きに注意を払いつつも、一緒に遊ぶ役割を担っている。様子を見ていると、みんな子どもの扱いが上手だ。一緒に遊ぶコツのようなマニュアルまではないというが、なかなか同じようにはできないものだ。
SVAは今後、ここに持ち込んだプレーカーを避難所や仮設住宅などで巡回し、臨時の遊び場づくりをしていくのだという。学校の校庭や公園、空き地といった「遊び場」を仮設住宅の建設地にしているので、被災地内には子どもたちの遊ぶ場所がない。今回のプレーカーでの活動からは、そうした今後の活動が透けて見えた。
天理教の唐桑半島災害復興ひのきしんセンター
唐桑を拠点に活動を続けているひのきしん隊。重機も持参していた。
雰囲気はまさに夏フェスといった感じで、かつエコでネイチャーでヒッピー系の要素が満載で、なかなか愉しい居心地である。しかし残念ながら観客の数はいまいち。場所的にも周りに住宅地があるような所でもなく、沿岸部の集落は被災したために、多くが遠隔地への避難や仮設住宅に入居している。そうした地元の人たちが来られるような送迎も特にはないようで、ここには車で来るしか手段がないため、なかなか来られないのだろう。そのために愉しんでいる人が、出展者の関係者ばかりのように感じた。
これまでの開催では、お客さんもおそらく全国各地からこの祭りに参加していたのだろうが、やはり被災地のど真ん中であるために、来られないということもあったかもしれない。この場所は国立公園内のためにテント泊もできないということで、宿泊も近隣のキャンプ場くらいしか見当たらないこともあるだろう。フェスの内容は愉しめただけに、お客さんが少なかったことだけがもったいなかった。
#文中に登場する名称・データ等は、初出当時の情況に基づいています。
◉データ
半造 星まつり2011 復興支援感謝祭
主催:星まつり実行委員会
開始日:2011年7月23日、24日 午前10時〜午後9時
場所:唐桑半島半造園地
協賛:半造レストハウス、唐桑ひのきしんセンター、からくわ放送局、
唐桑ボランティア団、気仙沼歯科医師会、唐桑の海を守る会、
ソーラー支援プロジェクト、崎浜大漁唄い込み保存会、
早稲田大学理工学部石山修武研究室、ウパタイカントプロジェクト、
noatomforpeace.org、seismic studio、一ノ蔵、iscf
内容:フリーバザール、炊出し、郷土芸能、カラオケ大会、
コンサート、ダンス、ワークショップなど
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